コーチで個人事業主として開業するために知っておくべき5つのこと

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コーチやコンサルタントで起業する人は、「個人事業主」からスタートするのが一般的です。

しかし、これからコーチで起業するにも関わらず、個人事業主についての詳しい情報を知る人はそう多くはいないのではないでしょうか。

そこで今回は、コーチで個人事業主として開業するための、必要事項について詳しく解説していきたいと思います。

ぜひ、最後まで読んで頂ければ幸いです。

1. 個人事業主とは?

まず、個人事業主の定義とは一体何なのでしょうか?

個人事業主(こじんじぎょうぬし)は、株式会社等の法人を設立せずに自ら事業を行っている個人をいう。一般的には自営業者ともいう。事業主一人のみ、家族のみ、あるいは少数の従業員を抱える小規模な経営が一般的だが、制限はなく、大規模な企業体を経営することも出来ないわけではないが、多くは小規模なものである。雇用されている者(サラリーマンのこと)は個人事業主ではないが、継続的な請負(下請)や納入する業者、代理店など、雇用でない契約によって他者の事業に従属する者はあくまでも独立の経営であり、それが法人でなければ個人事業主である。つまり、個人事業主とは、会社経営者でもサラリーマンでも無職でもない者の総称ということである(ただし、副業として個人事業主となることは可能である)。

Wikipedia

個人事業主とは、簡単に言うと、法人化(会社を設立)せずに、自ら事業を行っている個人のことを指します。

所謂、自営業者と言われる人のことです。

例えば、街中にある小規模な飲食店や、美容院、サロンなどの多くが個人事業主で営まれています。

また、今流行のノマドワーカーやフリーランスといった、会社や組織に縛られずに自分で仕事を行っている人たちは、個人事業主です。

コーチやコンサルタント、セラピストなども、事業規模が小さい内は、個人事業主として営業することが一般的です。

2. 個人事業主のメリット|デメリット

実際に、個人事業主として開業することには、どんなメリットと、デメリットがあるのでしょうか?

2-1. 個人事業主のメリット

  • 自分のやりたい、やりがいのある仕事ができる
  • 自分のペースでスケジュールが組める
  • 自由な時間が増える
  • 開業届けを税務署に提出するだけで事業を行うことができる
  • 青色申告特別控除で所得から最高65万を控除できる
  • 赤字を3年間繰り越すことができる
  • 家族への給与が全額必要経費にできる
  • 自宅をオフィスにした場合、家賃・電気代の一部が経費にできる

など、個人事業主ならではのメリットがたくさんあります。

では逆に、個人事業主にはどんなデメリットがあるのでしょうか?

2-2. 個人事業主のデメリット

  • すべての責任を自分が負わなければならない
  • 結果が出なければ飯を食っていけない
  • 法人に比べると信用度が低い
  • 失業保険がない
  • 厚生年金ではないため、年金が少ない
  • 青色申告で確定申告する場合、税務署に届け出る必要がある
  • 青色申告で確定申告する場合、複式簿記の記帳が必要になる

など、個人事業主は、保障がないことや、税金に関する手続きにデメリットがあります。

3. コーチで個人事業主として開業するまでの4つのプロセス

では実際に、コーチで個人事業主として開業するためには、具体的に何が必要なのでしょうか?

以下がコーチで個人事業主として開業するまでの4ステップです。

  1. 屋号を決める
  2. 事業内容を決める
  3. 所得の申告方法を決める
  4. 開業届けの提出をする

一つずつ詳しく説明します。

3-1. 屋号を決める

屋号とは、法人で言えば会社名にあたるものです。

例えば、○○商店、○○事務所、オフィス○○などがそれにあたります。

ノマドワーカーや、フリーランスの場合、屋号をつけずに自分の名前で事業を行っている人もたくさんいます。

今後、事業を拡大し、従業員を雇う可能性がある場合や、いずれ法人化を目指している場合には、屋号を決めておくと良いでしょう。

屋号をつける際のチェックポイント

  • シンプル
  • 覚えやすい
  • 事業内容がイメージしやすい
  • 自分にとって意味がある
  • 「○○会社」、「○○株式会社」、「○○法人」はつけられない(法人登記が必要なため)
  • 商標登録されている名称(同業の場合)は、トラブルを招く恐れがあるので避ける

それから、屋号を考える際に合わせて調べておくことがもう一つあります。

それは、あなたが運営するHPやブログサイトで使用する独自ドメインとの兼ね合いです。

ユーザビリティの面からしても、屋号とドメインは合わせた方が良いので、屋号を決める際は、独自ドメインが取得可能かどうかをチェックするのを忘れないようにしましょう。

例)屋号「コーチ塾」、ドメイン「http://coachjuku.com」

3-2. 事業内容を決める

税務署に提出する開業届には、事業内容を記載する必要があります。

特に厳しい審査があるというわけではないので、そこまで神経質になる必要はありません。

コーチの場合、事業内容は、「コーチングビジネス関連事業」となるわけですが、それでは余りに抽象的過ぎるので、もう少し具体的にします。

例えば、

  • 個人|企業向けのコーチング提供
  • 企業向け研修事業
  • コーチングセミナー事業
  • コミュニティ運営事業
  • Webサイトによるコンテンツの提供
  • コーチングに関連する出版物|DVD等の物販事業
  • その他上記に関連するコーチングビジネス事業

上記のように、事業内容を具体的にすることで、あなたがどのような事業を行うのかを明確に示すことができます。

3-3. 確定申告の方法を決める

個人事業主には確定申告の方法が2種類あります。

  • 青色申告
  • 白色申告

青色申告と白色申告の違い

青色申告 白色申告
節税効果 簡易簿記:10万円の特別控除

複式簿記:65万円の特別控除

なし
記帳義務 簡易簿記(10万円特別控除)

  • 現金出納帳
  • 預金出納帳
  • 売掛帳
  • 買掛帳
  • 経費帳
  • 固定資産台帳

複式簿記(65万円特別控除)

  • 仕訳帳
  • 勘定元帳
  • 預金出納帳
  • 売掛帳
  • 買掛帳
  • 経費帳
  • 固定資産台帳
法定帳簿
決算書類 簡易簿記(10万円特別控除)

  • 損益計算書

複式簿記(65万円特別控除)

  • 損益計算書
  • 貸借対照表
収支内訳書

 

申請手続 税務署に「青色申告承認申請書」を提出する。 不要

上記の表を見比べると分かるように、青色申告は税務署への申請と帳簿の記帳が必要になりますが、白色申告よりも節税効果が高いので、確定申告は「青色申告」で行うことをお勧め致します。

青色申告の具体的なメリットは以下の通りです。

青色申告特別控除

青色申告には、複式簿記と簡易簿記の2つがあります。

複式簿記で記帳を管理すれば、最高で65万円を課税所得から控除できます。

簡易簿記では、最高で10万円を課税所得から控除できます。

(課税所得とは、「収入-経費」のこと。)

青色特別控除は、申請が承認されていれば、個人事業主として開業したのが年度の途中であっても、控除額は全額(最大65万円|最大10万円)が控除されます。

欠損金の繰越控除

その年の赤字を損失申告することで、翌年以降の3年間の所得から差し引くことができます。

例えば、400万円の赤字が出た翌年に、200万円の黒字になったとしたら、前年の赤字と差し引いて納税せずに済みます。

さらに残りの200万円の赤字も持ち越すことができるので、次の年に300万円の黒字が出ても、差し引き100万円に課税がされることになります。

また、欠損金の繰越控除とは逆に、欠損金の繰越し還付という制度もあります。

前年度が黒字だったのに、本年度が赤字になった場合に、本年度の赤字分を前年度の黒字分から差し引いて、前年度に収めた納税額を返してもらえます。

家族の給与を必要経費にできる

生計を一にしている配偶者その他の親族が、納税者の経営する事業に従事している場合、これらの人に支払う給与を全額経費にすることができます。

但し、青色申告専従者給与には以下の要件があります。

  1. 青色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること。
  2. その年の12月31日現在で年齢が15歳以上であること。
  3. その年の6ヶ月を超える期間、青色申告者の事業に専念していること。
  4. 青色事業専従者給与に関する届出書を税務署に提出していること。
  5. 届出書に記載されている方法で、記載されている金額の範囲内で支払われたものであること。
  6. 青色事業専従者の給与の額は、労務の対価として相当であると認められた金額であること。

減価償却の特例が受けられる

青色申告には、事業で使うパソコン、デスク、椅子、複合機、応接用のソファーなどの固定資産を、1個(1セット)当たり30万円未満であれば、購入した年度に一括して経費にすることができます。

ちなみに、減価償却資産を一括で経費計上するのか、通常の固定資産として計上し、法定の耐用年数で減価償却するかはあなたが決めることができます。

例えば、その年の所得が100万円で、20万円のパソコンを購入したとします。(パソコンの耐用年数は4年)

通常の減価償却の場合
100万円(所得)-5万円(経費)=95万円(課税所得)

特例の減価償却の場合
100万円(所得)-20万円(経費)=80万円(課税所得)

つまり、通常の減価償却は5万円を4年に分けて経費計上し、特例の減価償却はパソコンを購入した年に一括で20万を経費計上するということです。

自宅をオフィスにしている場合は家賃や光熱費を一部経費にできる

例えば、家賃の場合、仕事で使っている部屋の床面積の割合が基準になります。

仕事で使っている部屋が家全体の25%だとすれば、家賃の内25%は必要経費として計上することができます。

これと同様に、電気代や電話代なども、割合に応じて必要経費として計上することができます。

3-4. 開業届けを提出する

ここまできたら、後は個人事業の開業届を税務署に提出するだけです。

開業に必要な手続きは以下の2つです。

  1. 個人事業の開業・廃業等届書(国税庁)を税務署に提出する
  2. 所得税の青色申告承認申請書(国税庁)を税務署に提出する

家族を従業員に雇う場合は、上記の2つに加えて、給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書(国税庁)を税務署に提出する必要があります。

4. 個人事業主が納める税金の種類

4-1. 所得税

所得税とは、個人がその年の1月1日から12月31日の1年間に得た所得に対して課税される税金です。

確定申告は、翌年の2月16日から3月15日までの間に申告して、税務署から郵送されてくる納付書で納税することになります。

4-2. 住民税

住民税とは、住所地の都道府県と市区町村に納める2つの地方税を合計したものをいいます。

納付は、確定申告を行っていれば納付案内書が郵送されてくるのでそれに従って納付します。

納付の方法は、一括で納める方法と、分割で納める方法があります。(納付の期限は一般的には6月、8月、10月、翌年の1月)

4-3. 個人事業税

個人事業税とは、個人で事業を行っているものが所得税、住民税の他に都道府県に納める義務がある地方税のことです。

納付は、確定申告を行っていれば8月に納付案内書が郵送されてくるのでそれに従って納付します。

個人事業主には、事業主控除という制度があり、事業所得金額から一律290万円が控除されます。

1年間の利益が290万円以下の場合は事業税を払う必要はありません。

4-4. 消費税

個人事業主は、受け取った対価にかかる消費税を税務署に納付する義務があります。

但し、2年前の課税売上高が1000万円を超えていなければ納税する必要はありません。

事業は始めたばかりの事業主は2年前の売り上げはゼロなので、初年度、及び2年目は原則として免税事業者となり、消費税を納付する必要はありません。

仮に1年目の売上高が1000万円を超えた場合には、3年目からは課税事業主となり消費税を納税する必要があります。

5. 個人事業主から法人化するベストなタイミングとは?

事業の規模が拡大し売り上げが大きくなると、個人事業から法人化(株式会社設立)することを検討する必要があります。

5-1. 個人事業主から法人化するメリット|デメリット

5-1-1. 法人化するメリット

  • 社会的な信用度が高い
  • 一定以上の所得がある場合には、個人事業よりも節税になる
  • 給与所得控除が使える
  • 経営者や家族が社会保険に加入できる
  • 退職金を支給できる
  • 赤字を7年間繰り越すことができる
  • 消費税を最大2年間納付しなくて済む(資本金1000万円未満)
  • 決算日を自由に決められる(個人事業主は12月)

5-1-2. 法人化のデメリット

  • 設立時に費用がかかる(30万円程度)
  • 定款の作成や登記を行う必要がある
  • 所得が低い場合は、個人事業主よりも税金が高くなる
  • 赤字でも法人住民税の納税する義務がある(年間で最低7万円)
  • 社会保険の加入が必要になる
  • 会計処理や税務申告などが複雑なため税理士の依頼が必要になる

5-2. 個人事業主が、法人化する目安とは?

それには2つの考え方があります。

  1. 年間所得が500万円を超える
  2. 売り上げが1000万円を超える

5-2-1. 利益が500万円を超える

個人事業主の場合、所得税が累進課税で計算されるため、利益が増えれば税率が高くなります。

個人事業主の所得 税率
159万円以下 5%
159~330万円以下 10%
330~695万円以下 20%
695~900万円以下 23%
900~1800万円以下 33%
1800万円超 40%

一方法人の場合は、法人税の税率は一定で、年間所得が800万円以下なら15%、年間所得が800万円以上なら25.5%になります。

よって、利益が500万円を超えてくると、個人事業主の方が税率が高くなります。

法人であれば、経費にできる幅が広がることも含めると、法人の方が節税効果が高いと言えます。

5-2-2. 売り上げが1000万円を超える

個人事業主の年間の売り上げが1000万円を超えると、消費税を納税する義務が発生します。

但し、個人事業主から新しく法人化した場合、最大で2年間は消費税が免除されます。

また、法人化した前期(2年目)の上半期に売り上げが1000万円を超えると消費税を納税する必要があります。

個人事業主で売り上げが1000万円を超える場合には、法人化してこの制度を利用すれば、最大2年間は大きな節税効果になります。

まとめ

さて、いかがだったでしょうか?

今回の記事を最後まで読んで頂けたのなら、コーチで個人事業主で開業するための基本的な知識は得られたと思います。

確定申告を青色申告にすれば、帳簿の管理に手間が掛かりますが、それだけのメリットは十分にあるのでお勧めです。

また、利益が上がれば個人事業主から法人化する方がメリットが多くなるので、収支をよく分析し、検討してみて下さい。

今回の記事があなたのお役に立てることを願っております。

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